賃貸物件における築古と築浅の違いとは?築年数の目安と特徴について解説
不動産には築古(ちくふる)と築浅(ちくあさ)といった概念があります。
築古物件と築浅物件にはそれぞれの特徴があり、賃貸物件を選ぶ際には事前に知っておくことが重要です。
また、耐用年数も賃貸物件を選ぶ際に知っておきたいポイントになります。
そこで、本記事では築古と築浅それぞれの築年数や耐用年数について解説します。
賃貸物件を検討中の方はぜひチェックしてください。
築古物件となる築年数の目安と特徴
築古物件は名称から築年数が古い賃貸物件ということは分かりますが、ここで具体的な築年数と特徴について確認してみましょう。
引っ越し先の候補となっている賃貸物件が築古物件であるかご確認ください。
築古物件となる築年数の目安
まず、築古物件は一般的に築年数30年以上の物件を指します。
しかし、築古はしっかりとした定義はなく、あくまでも不動産業界で慣習的に用いられている用語です。
そのため、不動産会社によっては25年以上を築古としていることもありますし、逆に30年以上でも設備などが綺麗であれば築古としていないこともあります。
あくまでも築古物件の築年数30年以上は目安なのであり、絶対的なものではないことにご注意ください。
築古物件のメリット
まず、築古物件のメリットとして家賃が安くなりやすいことが挙げられます。
一般的に、不動産は築年数が経つほど価値が低下していくものですよね。
ですので、築古物件は新築物件や築古物件と比べると家賃が安くなっています。
家賃をなるべく安く抑えたい方にとっては大きなメリットです。
また、築古物件はリフォームやリノベーションがおこなわれていることもあります。
もし、リフォームやリノベーションがおこなわれていると新築物件のように綺麗ですので、家賃を抑えながら綺麗な賃貸物件に住むといったことが可能なのです。
このように築古物件はコスト面でメリットを発揮します。
築古物件のデメリット
築古物件のデメリットは設備が老朽化している可能性があることです。
賃貸物件の設備は築年数が経つほど劣化していくものですが、築古物件では劣化が起きている可能性が高くなります。
しかし、設備の劣化度合いは管理方法や周辺の外環境などによって異なるため、内覧によってしっかりと把握しておくことが必要です。
とくに、水回りにおいて水漏れが起こっていないか、歩いたときに床の軋みはないかは注意すべき点になります。
こちらも実際に内覧をしてみないと分からないため、気になる築古物件がある場合は必ず内覧をおこないましょう。
築浅物件となる築年数の目安と特徴
築浅物件は名称から築年数が浅い賃貸物件ということは分かりますが、築古と同様に具体的な築年数と特徴について確認してみましょう。
こちらも引っ越し先の候補となっている賃貸物件が築浅物件であるか、特徴に当てはまっているかご確認ください。
築浅物件となる築年数の目安
まず、築浅物件は一般的に築年数5年以内の物件を指します。
しかし、築浅もしっかりとした定義はなく、あくまでも不動産会社業界で慣習的に用いられている用語です。
そのため、不動産会社によっては築年数7年を築浅としていることもありますし、逆に築年数5年でも設備などが古ければ築浅としていないこともあります。
あくまでも築浅物件における築年数5年以内は目安なのであり、絶対的なものではないことにご注意ください。
また、新築物件は築浅物件に含まれると勘違いされることがありますが、実は新築物件は築浅物件には含まれません。
新築物件は住宅の品質確保の促進等に関する法律により「新築住宅とは新たに建設された住宅で、未だ人の居住の用に供したことの無いもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)」といった定義がなされています。
つまり、新築物件は建設工事が完了してから1年以内、誰も入居したことがないといった2条件を満たした物件を指すのです。
築浅物件と新築物件の違いについてもしっかりと確認しておきましょう。
築浅物件のメリット
まず、築浅物件のメリットとして最初に挙げられるのは室内外ともに劣化が見られず、綺麗であることです。
また、賃貸物件においては新しい設備が備え付けられていることが多く、快適な生活を送ることができます。
とくに、エアコンやキッチンなどは新しさによって機能が異なるため生活の満足度に直結するのです。
物件自体が新しいことはこのように室内の設備が新しいだけではなく、室外の設備も最新のものであることが多々あります。
室外の設備の代表例として共有玄関がありますが、共有玄関が最新であるとオートロック付き玄関となっていることが多いです。
オートロック付き物件は、女性で一人暮らしの方や学生の方にとっては安全面で非常に重要な事項であるかと思います。
築浅物件はこのように生活の快適さ、安全面で大きなメリットを発揮するものです。
ただし、築浅物件であればこのようなメリットが必ずあるものではなく、外環境や最初に備えられ付けた設備によっては新しいものではない可能性があることにご注意ください。
築浅物件のデメリット
築浅物件のデメリットは家賃が高くなりやすいことです。
築浅物件は上記のようなメリットがあるため人気が集まりやすい賃貸物件となっています。
ですので、家賃が高くなりやすく、コストを抑えたい方にとっては大きなデメリットとなってしまうのです。
築浅の賃貸物件を探す際は上記のようなメリットとコスト面のバランスを考えることが重要になります。
また、人によってはアレルギー反応が起こる可能性もあるものです。
一般的に、新築物件におけるアレルギー反応が知られていますが、築浅物件でも化学物質の影響が出る可能性があります。
しかし、建築基準法の改正によって24時間換気システムが義務付けられましたので、こちらのデメリットは以前ほど重要なものではなくなりつつあるものです。
賃貸物件における築浅物件のデメリットはコスト面であると認識しておきましょう。
建築構造における法定耐用年数
ここまで築古と築浅について解説しましたが、法定耐用年数も知っておくべき重要事項です。
法定耐用年数についても確認しておきましょう。
法定耐用年数とは
不動産は建設完了時に建設費すべてを一度に計上することができません。
ですので、不動産は決められた年数で分割して計上していく必要があります。
決められた年数が法定耐用年数であり、「大規模修繕をおこなわずに使える期間」を基準に法的に定められているものです。
ですので、法定耐用年数は税務上の年数であり、建物自体の寿命ではありません。
法定耐用年数が建物の寿命と勘違いされることが多いですが、これらは別のものであると認識しておきましょう。
各建築構造の法定耐用年数
法定耐用年数は各建築構造によってそれぞれの値が定められています。
具体的な値は以下のとおりです。
●木造:22年
●鉄骨造(骨格の厚み3mm以下):19年
●鉄骨造(骨格材の厚み3mm超4mm以下):27年
●鉄骨造(骨格材の厚み4mm以上):34年
●鉄筋コンクリート造:47年
築古物件の特徴でリフォームやリノベーションがおこなわれていることがあると説明しましたが、物件の築年数が法定耐用年数に近づくと大規模修繕がおこなわれている可能性が高いです。
賃貸物件をお探しの方もこちらの法定耐用年数についても確認しておきましょう。
まとめ
本記事では築古と築浅それぞれの築年数や耐用年数について解説しました。
築古は築年数30年以上の賃貸物件、築浅は築年数5年以下の賃貸物件を指し、法定耐用年数は税務上必要となる築年数なのでした。
築古と築浅はそれぞれ異なった特徴を持つため、しっかりと確認したうえでお部屋探しを進めていきましょう。
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