賃貸借契約での必要書類とは?取得方法や注意点についても解説
賃貸借契約でもっとも重要なことは、借主が本人であることを証明することです。
そのために、本人確認証の他にいろいろな必要書類を準備しなくてはいけません。
契約時にどういった書類が必要でどういった発行手順なのか、また注意するべき点についてまとめてみましたのでご覧ください。
賃貸借契約の必要書類として印鑑証明書が必要な理由について
賃貸物件をお探しの方にとってまずは家賃や立地、間取りなど自分の希望に合った物件を見つけることが第一のハードルと言えます。
そしてこの第一のハードルを越えても、入居審査という第二のハードルが待っていて、ここで収入や身分などを貸主に対して証明するわけです。
そして第三のハードルとしては、連帯保証人を立てるということで、もし家賃を滞納したときに、借主に代わってその連帯保証人が賃料を支払ってくれることになります。
この段階までくればあとは賃貸借契約に移ることになりますが、このときほとんどの場合、先述した連帯保証人の印鑑証明書の提示を求められます。
印鑑証明書とは?
印鑑証明書とは、それを提示することで本人であることが証明できる書類のことで、実印を印鑑登録し、そこに氏名や住所などの個人情報を記載したものです。
借主の身分は運転免許証や収入証明書などで確認できますが、契約の際に同席しない連帯保証人についてはその身分を証明するためにこの印鑑証明書が必要となるのです。
この印鑑証明書は実印を持つ本人が役所などで発行しなければ取得できないため、捺印よりも確実に本人であることを証明できるものとして信ぴょう性があります。
貸主からすると連帯保証人を確保しておくことで、仮に借主が滞納した場合もその連帯保証人から支払ってもらえるため安心できるわけです。
この印鑑証明書は連帯保証人だけでなく、借主に対しても提出を求められることがありますので、その発行手順についてこれからご説明していきます。
印鑑証明書の発行手順とは?
発行できる場所は管轄の役所やその出張所である証明サービスコーナーの窓口、もしくはコンビニに設置されているマルチコピー機となります。
役所で発行してもらう際に必要なものとしては、印鑑登録カードかマイナンバーカード、そして運転免許証など本人と確認できるもの、あとは手数料です。
コンビニのマルチコピー機での発行の場合は、印鑑登録カードは使用できず、マイナンバーカードのみが使用可能となりますので注意してください。
また本人が行けない場合は、代理人を立てることができますが、これも役所の窓口では有効となりますが、コンビニでの発行はできません。
賃貸借契約時の必要書類として戸籍謄本が必要なケースについて
賃貸借契約を結ぶ際は「戸籍謄本」が必要となるケースがあります。
戸籍謄本とは?
戸籍謄本とは、生まれたときから亡くなるまでの個人情報が記録される戸籍の原本の写しのことを言います。
似た言葉に「戸籍抄本」がありますが、戸籍謄本との違いは家族の情報も載っているか否かです。
戸籍抄本は、請求する個人の情報しか載っていませんが、戸籍謄本は配偶者や子ども、親などの家族の氏名と続柄も載っています。
そのため、賃貸借契約を結ぶ際も家族で引っ越す場合などに、家族関係の繋がりについて証明する書類として戸籍謄本が必要となるケースがあるのです。
戸籍謄本の発行手順とは?
戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役場の窓口にて取得できます。
本人が直接役所に出向いて戸籍謄本を取る場合は、印鑑や運転免許証などの本人確認書類を用意しましょう。
代理人が申請する場合は、委任状と代理人の本人確認書類が必要となります。
郵送対応もしているため、本籍地から離れた場所に住んでいる方でも自宅で受け取ることができますよ。
郵送で取り寄せる場合は、役所のホームページから請求書のフォーマットを印刷し必要事項を記入して、返信用封筒と本人確認書類などの必要書類を同封して本籍地の役所宛てに送付します。
返信用封筒には、自分の住所と名前を記入し、切手も貼っておきましょう。
また、手数料を郵便局で定額小為替に換えて同封する必要があります。
コンビニ交付を導入している市区町村であれば、コンビニのマルチコピー機で取得することも可能です。
その際に必要なものは、マイナンバーカードや住民基本台帳カードと手数料です。
市区町村によっては、窓口申請よりもコンビニでの取得のほうが、発行手数料が安い場合もありますよ。
役所が閉まっている時間帯でも取得できるため、コンビニで取得するほうが便利と言えるでしょう。
ただし、現在の住所地と本籍地が異なる場合は、事前に本籍地の市区町村へ利用登録申請をおこなう必要があるため、ご注意ください。
利用登録申請は、コンビニのマルチコピー機やインターネット経由でできます。
戸籍謄本に有効期限はある?
もし、賃貸借契約を結ぶ際に、戸籍謄本を求められた場合は、発行した日からの有効期限があるのかも確認しましょう。
有効期限とは、たとえばパスポートだったら6か月以内に発行されたもの、婚姻届けは3か月以内や6か月以内などの「申請する日から〇か月以内に発行されたもの」という条件がつくことです。
賃貸借契約の場合は、一般的に3か月以内に発行されたものが求められます。
とくに、有効期限の指定がない場合でも、何年も前に取得した戸籍謄本を提出すると、受け付けてもらえない可能性があるため気をつけましょう。
何年も前の戸籍謄本だと、家族関係の変化などで記載内容が変わっている場合があるため、なるべく直近に発行した戸籍謄本を用意することをおすすめします。
賃貸借契約に住民票が必要書類とされる理由
賃貸物件の賃貸借契約締結における必要書類の一つに住民票があります。
住民票とは?
住民票が必要とされるもっとも大きな理由は、本人確認をするためです。
そもそもこの住民票とは、誰がどこに住んでいるのかという居住に関することを証明するもので「氏名」「生年月日」「住所」などが記されています。
もちろん運転免許証や健康保険証といった本人確認書類もあります、住民票には世帯主や前住所といった運転免許証などではわからない情報が記載されています。
また、住民票に記載されている住所などの情報と運転免許証や健康保険証の情報を照合することで、本人確認の精度を上げることも住民票の提出が求められる理由です。
住民票の発行手順とは?
住民票の発行手順は、戸籍謄本の発行手順と同じ流れになります。
発行する際は、本人が手続きをする場合は運転免許証などの本人確認証が必要となり、代理人が窓口で申請する場合には委任状とその代理人の本人確認証が必要になります。
住民票の取得方法としては、役所や行政サービスセンターの窓口に足を運ぶか郵送で受け取るほか、コンビニのマルチコピー機でも発行できます。
住民票に関する注意点
取得した住民票について、賃貸借契約時に本人確認証などの必要書類と一緒に提出する際に、気を付ける点があります。
一つ目はマイナンバーの記載で、マイナンバーは収入など重要な個人情報とひも付けされているため、マイナンバーが記されている住民票は基本的に不動産会社は受け取りません。
二つ目は戸籍謄本と同様に、有効期限についての確認が必要である点です。
まとめ
今回は、賃貸借契約を結ぶ際に必要な書類として、印鑑証明書、戸籍謄本、住民票について解説しました。
契約を結ぶ前にあらかじめ何が必要なのかを知っておくことで、用意も手続きもスムーズに進めることができます。
賃貸借契約時は、こちらの記事を参考に書類をご準備ください。